保温用シームレスサポーターは機能性繊維が良いのか、それとも天然繊維に回帰すべきなのか?
2017.04.19
北陸地方はそろそろ桜のシーズンも終了でしょうか。一昨日から夜が荒れていたことで、すっかり桜も散ってしまったようです。これからはGWにかけて、徐々に暑くなってくることでしょう。
保温用シームレスサポーターを4月に入ってからも使用する日が何度かありました。足元から冷えるのを、ふくらはぎ用サポーターで防いだのですが、20℃を超える天気の中では保温目的のサポーターの出番も減ってきます。
弊社が丸編み機で生産するニット製保温用シームレスサポーターは、化繊主体のものから天然繊維を使ったものまで、色々な種類があります。お客様のご要望にお応えして特注で生産する場合でも、天然系でも化繊でも何でも使用可能です。
化繊というのは、もともと天然繊維を真似て作ったことが始まりです。天然繊維というものが持つ機能の素晴らしさを安価にそれも大量に生産することができないだろうか、という化学者の英知の結晶と言えます。
そういった意味では天然繊維に勝るものなし、と言えなくはないのですが・・・。
化繊には化繊の良さがやはりあることも事実です。まず第一に品質は一定しており、価格は比較的安価だと言えます。天然繊維は当然のことながら自然に左右されますから、綿などの不作から価格が高騰することだってあります。
また量が爆発的に増えるということもありません。綿であれば作付、ウールであれば羊の数など。工場を増設して対応する化繊とは明らかに違うところです。
化繊と天然繊維、それぞれに特徴を有しており、甲乙つけがたいと言えるのですが、一部では天然繊維の復活が近いという人もいます。
「サステイナブル」という言葉を最近は耳にするようになりました。持続可能という意味あいですが、地球環境というマクロの観点で見た場合、持続可能な社会を目指そうという取組みの時、この言葉が使われることがあります。
化繊=化石燃料という構図からすると、地球資源を使っている化繊というのは、環境負荷も大きいと言えなくはありません。近年ではユニクロのように、店頭で洋服を回収してリサイクルに取り組む会社もありますが、燃えるゴミとして処分される数も多いことは間違いありません。
リサイクルされず灰になると言うことは、資源が消費されたことを意味し、持続可能ではないという判断にもなります。
化繊そのものの良し悪し(機能面)ではなく、資源のひとつという視点がクローズアップされていることから、天然繊維への回帰というフレーズにもつながるのでしょう。
それぞれに価値観があって、何が正しく何が間違っているのではなく、多様な考えのもと、細分化されていくのかもしれません。
天然繊維は確かに高いことは間違いありません。扱いにも注意が必要です。洗濯もデリケートであるケースも多く、面倒この上ないと感じます。でも風合いの良さがあり、肌に優しいという利点があります。
化繊は比較的安価であり、少々雑に扱っても問題ありません。強くしなやかで、取扱いが大変楽です。耐久性も優れています。しかし、肌に合わない人もいますし、静電気等も帯びやすかったりします。引火した際の危険も高いものです。
皆さんは糸素材にこだわって商品選びをしていますか?