腹巻生産依頼の進展や如何に? 試編み生地をサンプル提出しての出たとこ勝負。
2017.04.27
なかなか試編みというものは難しいもので・・・。
以前にも書いたのですが、生地見本サンプルを提供されて、「これと似たものを作って欲しいのですが」というご相談が最も難しい案件のひとつなのです。
それは何故かと申しますと、その生地見本サンプルを作った編み機械と同じ機械でなければ、同種の編み生地が出来上がってこないからです。編み機械には、ゲージ、針数など幾通りもの違いがあるのですが、それらの全てを所有している会社はございません。
それぞれの会社にある編み機械で、最初に作成したものが初回生産となり世に出回る訳ですが、それが定番商品となって継続されていく訳です。定番商品は規格を簡単に変更することはできません。既にその商品には固定客がおり、それでないといけないという枠組みになっています。
これが大きな壁として立ちはだかります。例えば、今まで永年生産していた機械が故障して動かないとか、高齢化に伴って廃業することになった、と言った問題が発生すると、引き継いで生産してくれる工場を急遽探さないといけません。
こうしたケースになった場合、今までと同質な商品の生産が可能かでうかの検討を、担当者なら第一に行うでしょう。今回の腹巻案件にしても、裏にはこうした経緯があるのだろうと推察するのです。
今回、試編み生地が出来上がったのですが、お預かりしているサンプルと離れているかな、と不安に感じています。依頼元も随分とお急ぎのご様子で、再試作の時間があるのかが微妙なタイミングに差し掛かっているらしいのです。
基礎情報の中に、機械メーカーやゲージ数、針数といったものは全くありませんから、サンプルを手に取って想像して作ってはみましたが、一発でドンピシャとはなりませんでした。
やり直すことなく、まずは今回のファーストサンプルをぶつけてみて、その反応如何によっては再度挑戦するといった対応を検討しています。
似せるという作業はやっぱり難しいな、と改めて感じたところです。