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【プロが解説!】丸編み機でできるニット製保温用シームレスサポーターは生地もサイズも多種多様です

2023.03.28

サポーター

山屋産業は石川県かほく市に自社編み立て工場があります。弊社から出荷される多くのニット製保温用シームレスサポーターが、この工場で編み立てされた生地になります。工場内はきれいに管理されており、綿ほこりは大型の集塵機によって吸い取る工夫をしています。

ニット製シームレスサポーターといっても、初めて聞く人は何のことかお分かりでないと思います。ニット製とは、素材を指すのではなく、生地の事です。ニットは一本の糸でループをつくりながら編み上げられた生地の事を指し、山屋産業ではこれを筒の様に編み上げる事ができる「丸編み機」を保有しています。

シグマの丸編み機

シームレスサポーターのシームレスは英語の「seamless」から来ています。Cambridge Dictionaryで「seamless」と検索すると「without any seams (= lines of sewing joining different pieces of cloth)」と出てきます。これは「縫い目のない」という意味で、ここではニットで編み上げているので縫製の必要がないという事を指しています。後述の通り、丸編み機で出来たサポーターは筒の両端を縫い返す必要があるので、厳格に言うと完全シームレスではありませんが、縫い目によるあたりが非常に少なく、伸縮性があり、やわらかで快適なサポーターです。

丸編み機から出てきたサポーターを上下縫製した写真

あらゆるサポーターサイズに適応できます!丸編み機(筒状)の種類

4インチ

径が4インチ(1インチ=2.54cm)の編み機で生産しているサポーターは、主に「手首」のサポーターになります。必ずしも手首に限定するものではありませんが、その程度の太さなので、判断がしやすいと思います。弊社の手首サポーターは基準幅が7.5cmとなっていますが、このサポーターはゴムが入っており、このゴムのテンション調整と、サポーターに使用する糸の本数によって幅を調整しています。糸だけで生地を編み立てることも可能です。

4.5インチ

径が4.5インチ(1インチ=2.54cm)の編み機で生産しているサポーターは、主に「ひじ」「足首」のサポーターになります。必ずしも限定するものではありませんが、その程度の太さなので、判断がしやすいと思います。弊社の「ひじ」サポーターは基準幅が9.5cmとなっていますが、このサポーターはゴムが入っており、このゴムのテンション調整と、サポーターに使用する糸の本数によって幅を調整しています。

「足首」サポーターは基準幅が9cmとなっていますが、このサポーターにもゴムが入っています。同じ4.5インチの機械を使用していますし、形状は同じストレート生地ですが、ゴムのテンションによって幅に違いを出しています。こうした芸当は可能です。

足首用サポーター 加工例

足首は、踵部分に穴をあけた形状にすることもあります。これは足首~足にかけてのフィット感を高める為です。この場合は、ストレート形状の生地に穴をあけて、上下・穴の周りを縫製する事で足首にフィットするサポーターを作ることができます。

5インチ

径が5インチ(1インチ=2.54cm)の編み機で生産しているサポーターは、主に「ふくらはぎ」のサポーターになります。必ずしもふくらはぎに限定するものではありませんが、その程度の太さなので、判断がしやすいと思います。

取引先によってはこのサイズを「ひざS」として併用できる表示をしているところがあります。弊社の「ふくらはぎ」サポーターは基準幅が上部(広い方)が12.5cm、下部(狭い方)10.5cmとなっています。このサポーターはゴムが入っており、このゴムのテンション調整によって幅を管理しています。

6インチ

径が6インチ(1インチ=2.54cm)の編み機で生産しているサポーターは、主に「ひざ」のサポーターになります。必ずしもひざに限定するものではありませんが、その程度の太さなので判断がしやすいと思います。弊社の「ひざ」サポーターは基準幅が上部(広い方)が13.5cm、下部(狭い方)11.5cmとなっています。このサポーターはゴムが入っており、このゴムのテンション調整によって幅を管理しています。

7.5インチ

径が7.5インチ(1インチ=2.54cm)の編み機で生産しているサポーターは、主に「もも」のサポーターになります。必ずしもももに限定するものではありませんが、その程度の太さなので判断がしやすいと思います。

必ずしも、ももに限定するものではありません。取引先によってはこのサイズを「ひざL」として併用できる表示をしているところがあります。弊社も「もも」サポーターは基準幅が上部(広い方)が16.5cm、下部(狭い方)が14.5cmとなっています。このサポーターはゴムが入っており、このゴムのテンションによって幅を管理しています。

単純な筒状だけではありません!丸編み機で作れる形状

ストレート形状

ストレート形状の生地が丸編み機から出てくる様子

編み立てする生地の形状に関してですが、まずは単純に同じ生地幅で真っ直ぐ編んだストレートの生地が作れます。例えばですが、ひたすら筒状に編み立てた生地が欲しいというお客様には、連続してつながっている筒状・同じ幅の編み生地をご提案できます。

筒状のテーパーなしの長い生地

この編み生地には、ゴムを使うことによって伸びを持たせることが可能ですし、逆にゴムを使わないで伸びのない生地を作ることも可能です。それぞれの用途があると思いますのでご相談下さい。

テーパー付き(筒の上下で幅が違う)

編み立てした生地の上部と下部で、径の大きさを変えることが可能です。形は台形を想像して下さい。台形のはどちらを上下と呼ぶかは別にして、狭い方と広い方があります。この形に編み生地を作ることができます。

編み生地はストレート形状と同じく連続してつながっていますが、広い方と狭いほうがつながった格好で編み生地が出来上がります。通常この編み生地をサポーターとして活用する場合は、広いところと狭いところの境い目をハサミでカットし、編み生地を連続したものから1枚1枚に切り分けます。これが縫製されることで1枚のサポーターに仕上がることになります。

テーパーのイメージ

このテーパーに関してですが、ゴムを使用することによって可能です。では広いほうからどれだけ狭く編み立てができるのかと言うと、使用するゴムによって変化します。機械として編み立てが可能な幅にも限界があり、その中にゴムがどれだけの量を挿入することができるかによります。

どうしてテーパーをつけるのか?

まず、テーパーとはwikipediaでは下記のように説明されています。

テーパーまたはテーパ (英語: taper) は、細長い構造物の厚みなどが、先細りになっていることである。そのような設計にすることを「テーパーをつける」と言う。」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC

つまり、丸編みでは次第に細くしていくことを指しています。なぜ細くするのか?膝サポ―ターなどは太ももとふくらはぎの周径が違うので、テーパーを付けないとフィット感が良くありません。ですので体の形状に合わせる為に、テーパーを付けています。よくアパレルなどで耳にする「テーパードパンツ」は、まさにこの手法を活用したもので、パンツを裾に向かって次第に細くするデザインとすることで、足全体を細くすっきり見せる効果があります。

編み立てできる生地のおさらい

①筒状の生地が編み上がります。

②ゴムを入れることも、入れないことも可能です。

③ストレートの形状と、テーパー(広い狭い)のついた形状が可能です。

④長い状態のままで出荷することが可能です。

⑤一枚一枚のサポーターになった形で出荷することが可能です。

丸編み機で使える糸やゴムの種類は豊富にあります!特殊な編み方をすればずり落ち防止も組み込めます!

これまで縫製できる幅や形状についてご説明してきましたが、糸とゴムの組み合わせによって色々な生地が編み立てできます。生地の風合いや厚み、ゴムの強さ、糸の色などによって、その仕上がりには無限の可能性があります。

白色のものがカラフルな色合いに代わるだけで、その生地の雰囲気は一変します。ニットはそうした面白い変化を楽しむことが、比較的容易に出来る良さがあります。

高齢者の方の中には、生地による締め付け感がない、比較的ゆったりした履き心地を求める方もいます。またその一方で、しっかりとした装着感で、安心感を得たい層もいらっしゃいます。こうした両極端な要望にお応えすることが可能なのが、ニット製品が求められる理由です。

黒色のアームサポーター

最近のサポーターは黒色のものが目に付きます。昔であれば白色が一般的でしたが、少しずつですが時代の変化を感じます。個性的なおしゃれを楽しみたい、人と同じでは嫌だ、といった細分化されたニーズに対応することも必要な時代となりました。

糸は染めることが必要な場合もありますが、糸屋さんにはあらかじめ色糸が準備されているものもあります。こうした定番の色糸を活用すれば、今までに見たことのない鮮やかな色合いの生地が生まれます。

目の詰まったサポーター生地(黒)と目の粗いサポーター生地(白)
↑目の詰まったサポーター生地(黒)と目の粗いサポーター生地(白)

また、サポーターの目のつまり方も調整することができます。目のつまりとは、おおざっぱに言うと、包帯のように網目が見えるつまり方がよいか、タイツの様に生地目の詰まったものがよいかというところです。丸編み機を使い分けることで生産する事ができます。丸編みのシームレスサポーターで何か作ってみたい方は是非ご相談ください。

よくあるご質問

 試作を依頼したいのですが、どうしたらいいですか?
 まずはお電話かメールでご連絡ください。
 縫製品(カットソータイプ)サポーターの試作は可能ですか?
 はい、可能です。具体的なサポーターがあれば教えてください。もしなければイメージやどんなタイプが希望かお知らせください。
 試作代はいくらですか?
 1回30,000円~をお願いしています。ただし、本番オーダーを頂いた場合、後日相殺することで試作代をお返しいたします。
 小ロットでも対応可能ですか?
 はい、可能です。ただし、使用できる資材に制約がある場合もございます。ただし、1枚あたりの値段が高くなります。
 納期はどれくらいですか?
 資材準備で時間を要することがありますので、一概にお答えすることができません。あらかじめご希望をお聞かせいただいた上、ご相談をさせてください。
 その他のご質問について
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