生ゴム vs 織りゴム|最適なゴム素材を徹底比較
2025.05.9

スポーツサポーター、医療用ベルト、作業服など、さまざまな製品に使用されるゴムベルト素材で利用されたことがあるかたは多いのではないでしょうか。従来は生ゴム(天然ゴムや合成ゴム)が主流でしたが、近年、ナイロンやポリウレタン弾性糸を織り込んだ「織りゴム」が注目されています。生ゴムと織りゴムの基本的な違い・特徴を整理し、当社が実施したJIS L1096準用試験(伸張力・緊迫力・伸長回復率)結果をもとに、織りゴムの性能を検証してみました!
目次
生ゴムと織りゴムの違い・特徴
生ゴムと織りゴムには以下のような違いや特徴があります。
生ゴム(天然・合成ゴム)の特徴
・材料・構造:生ゴム製品は天然ゴムや合成ゴムを押出・成型して作られます。分子構造はランダムな高分子鎖で、均一な平面織物ではありません。
・伸縮性・強度:生ゴム自体は高い弾性を持ち、引張り強度も一般に優れています。ただし、素材の厚みがあるため製品全体は重くなりがちです。
・フラッシング(毛羽立ち):ゴム表面は切断面が生地の端になることが多く、使用中に繊維の毛羽立ちが生じることがあります。
・加工性:切断・溶着など加工が比較的容易で、密閉性や耐油性も高い素材が多いです。
・耐久性:素材自体は耐久性も高いですが、伸縮疲労や時間経過による劣化(加硫不均一など)も課題となります。
織りゴムの特徴

・材料・構造:織りゴムは布帛に弾性糸(ナイロン+ポリウレタン等)を織り込んだもので、片面または両面にゴム糸が入る例が多いです。
・伸縮性・柔軟性:構造的に縦横方向への伸縮性があり、装着時に体の動きに柔軟に追従します。例えば、弊社の極薄ハイパワー織ゴムは、50,000回の伸縮疲労試験後も初期張力の90%を維持することが確認されています。
・耐久性・回復性:特殊なポリウレタン弾性糸や編織技術により、繰り返し使用時の耐久性も高いです。実際の試験では織りゴムの伸長回復率は非常に高く、50回引張後でも96~98%を保持しました。
・その他:織物なので通気性があり、表面も滑らかで毛羽立ちしにくいです。ドライクリーニングが可能な製品設計もあり、メンテナンス性に優れています。織ゴムは編み地構造で糸が絡み合うため、一部が傷んでも部分的に耐力を保ちやすい特性があります。
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JIS L1096準用試験(織物・編物の試験方法)による性能比較
当社が試験機関に依頼して、JIS L1096(織物・編物の試験方法)準用の定速伸長引張試験機を用いて、生ゴム・織りゴム各サンプル(計4試料)を評価しました。
<参考資料>https://www.boken.or.jp/find_items/lifestyle_goods/fashion_accessory/belt/1188/
試験条件は「つかみ間隔100mm、一定伸長50%(50mm)」、「引張速度500mm/min」、「繰返し50回」とし、1回目と最終回(50回目または20回目)の伸張力と緊迫力、さらに伸張回復率(直後および24時間後)を測定結果を以下に示します。 ※部分抜粋


※グラフ下の伸張回復率は、50回の試験後に測定
試験結果
1. 【回数×張力】
50回繰り返し時点で、生ゴムは10%以上低下、織ゴムは5~17%低下。特に織ゴム2は高い安定性を示しました。
2. 【回数×回復率】
生ゴムは繰り返し・経時で85~90%に低下。
織ゴムはほぼ98%維持し、繰り返し使用でも快適なフィット感をキープ。
試験結果を考察
上記の表から分かるように、「織ゴム1」と「生ゴム1」を比較して同等以上の引張力を示しています。特に「織ゴム1」は初回伸張力75.54Nと非常に高く、生ゴムより大きい値を示しました。また繰返し50回後の伸張力(62.80N)も、生ゴム(25.89N)の2倍以上です。
「織ゴム2」も初回46.47N、50回後43.85Nと、生ゴムより高い耐力を維持しました。さらに、織りゴムの伸張回復率は直後・24hとも96~98%と非常に高く、生ゴム(90%)を上回っています。
ゴム素材を選ぶ際、多くの方が「どれくらい伸びるか」「どれくらい強いか」に注目します。しかし、本当に大切なのは“使い続けても性能を保てるか”という耐久性です。
つまり当社の実測データでは、織りゴムは生ゴムに劣らない引張強度と弾性回復性を示しており、生ゴム製品の代替・併用が十分可能であるのではないでしょうか。
生ゴム利用者の懸念に対する検討

織りゴムの導入にあたっては「織りゴムでは強度や回復力が足りないのでは?」といった懸念を持つ方もいます。しかし、上記の試験結果が示すように、織りゴムは生ゴムと同等以上の性能を発揮します。
強度不足への反論
織りゴム試料の引張強度は生ゴムを上回っており、試験でも十分な負荷に耐えています。布帛構造の織りゴムは縦横双方に弾性が効くため、切断面よりも構造全体で荷重を分散できる利点があります。また合成繊維を使うため、品質が均一でばらつきが小さい点も強度面で有利です。
当社試験では織りゴムの伸長回復率は96~98%と高く、24時間経過してもほぼ回復しています。生ゴムでは直後90%、24時間で85~90%程度に下がるのに対し、織りゴムは高い数値を維持します。実使用においても、「特殊パイル糸を使用し、繰り返し着脱しても接着力が長持ちする」
回復力不足への反論
実際、当社の織りゴムはスポーツ用腰ベルトや作業用サポーターとして、すでに多くのOEM採用実績があり、「繰り返し使っても伸びきらず、しっかりフィット感が続く」という評価をいただいています。
これにより、使い捨てになりにくく、長く使えるリピート購入や顧客満足度アップにつながるといったメリットもOEM提供先から高く評価されています。
ユーザー実感に基づく製品事例がすでに多くあるんです!

織りゴムは、機能面だけでなく「ユーザー体験」の向上にもつながります。
- ・薄くて軽いので、装着感が快適
- ・肌ざわりが良く、ゴワつかない
- ・ムレにくく、長時間使用でも快適
- ・アレルギー対策として、天然ゴムを避けたい製品にも最適
特に「作業服」「スポーツサポーター」「医療サポーター」など、肌に直接触れる製品では、この「肌ざわり」「薄さ」「通気性」が製品価値を左右する重要なポイントになります。織りゴムなら、こうした付加価値アップも狙えるため、「次の製品企画で一歩差をつけたい」という企業様にもぜひご検討いただきたい素材です。
地場のネットワークを活かした製品開発や供給体制があります
山屋産業が拠点を置く隣の石川県かほく市はゴム入り織物・ゴム紐の生産の一大産地です。
- ・ゴム紐・平ゴムの製造メーカー
- ・ナイロン・ポリエステル長繊維メーカー
- ・繊維加工・染色・縫製・試験機関
上記のようなメーカーが集積した「繊維・ゴムひもの街」として知られており、この産地メリットを活かし、山屋産業では「スピーディなサンプル・試作対応」「安定した部材調達・供給体制」「小ロットから量産まで柔軟対応」などを実現しています。
調達・開発担当者のリアルな悩みに、これまでの開発・製造ノウハウでスピーディ&柔軟にお応えできるのが当社の強みです。
石川県は「繊維王国いしかわ」と呼ばれるほど繊維産業の一大産地
産業資材・スポーツアクセサリ・作業服向けゴムベルトの見直しは山屋産業へ是非お問い合わせを!
織りゴムは、これまで「生ゴムじゃないと無理」と思われていた用途にも十分対応できる性能を持ち、さらに薄さ・軽さ・肌ざわり・耐久性・通気性といったユーザーが求める付加価値まで提供できる素材です。
当社が行ったJIS準拠試験データでも、生ゴムと比較して「引張強度・回復力・耐久性が上回る」確かな実力を確認しています。
高品質で安定供給した資材ををお届けできる国内生産の安心感もOEMパートナー様から高く評価されています。
「生ゴムから織りゴムに切り替えられるか知りたい」
「今の製品をもっと薄く、快適にできるか相談したい」
「海外仕入れのリスクを減らしたい」
――そうしたちょっとしたご相談からでも大歓迎です。ぜひ、山屋産業に一度お問い合わせください!!