2月になりました。今週は10度越えのする日のあるあったかい日が続きそうです。朝起きるのも少し楽になりそうですね。
先日長野へスキーへ行ってきました。石川県のスキー場では、前が見えなくなるほど視界が曇ることってあまりないのですが、長野だと更に気温が低いこともあって、よく視界が悪くなります。なのでゴーグルは必需品です。そんなゴーグルのゴム紐に滑り止め加工する依頼がきました。
用途はゴーグル用のヘルメットに対しての滑り止めのようです。そう、ゴーグルの締め具合によっては頭からズレたりすることがあるので、スキー中にグローブ付けた状態で直すのは結構ストレスです。それをズレおちないようにする為の滑り止めプリント加工です。
ー目次ー
●1-1. アクリルインク (滑り止め効果:低 / 価格:低)
●1-2. ポリ塩化ビニル(PVC)インク (滑り止め効果:高 / 価格:低)
●1-4. シリコンインク(滑り止め効果:高 / 価格:高)
今回の滑り止めプリントはシリコンで行いましたが、弊社で取り扱いの滑り止め加工には3種類ございます。この種類というのはインクの違いです。また、インクと生地の相性もありますので、滑り止め加工をお考えの方は一度参考にしてみてください。
アクリルインクを使用して滑り止め加工をすると、価格を抑えた滑り止め加工が可能です。ただ、滑り止めの性能としては、塩ビ・シリコンには劣ります。また、アクリルですと床へあと残りすることがない点が強みです。また加工する生地の素材も選びません。
※アクリルプリントの滑り止め性能
塩ビのインクは、安価で滑り止め効果も高いものができるので、多くの滑り止め製品に使用されています。エコなのか?と言われることもありますが、近年ではゴミ処理施設の機能が上がり、PVCを燃やしても有害な毒が出ないような技術まで発展している様です。
※塩ビ(PVC)ドットプリントの滑り止め性能
1点注意すべきなのは、PVCや合成ゴムのインクは加水分解してしまうという点です。キッチンマット用の滑り止めが床に張り付いた・ベタベタになった経験はないでしょうか。これは滑り止めが加水分解することによっておこる現象です。滑り止め加工をご検討の方で、このような用途で製品化される場合は気を付けた方が良さそうです。
滑り止めに使われる素材は、合成ゴムや塩化ビニール(PVC)などがあり、これらには、素材を柔らかくするための可塑剤(かそざい)という成分が入っています。この可塑剤は、長期間の使用や熱によって溶け出す性質をもっており、長い期間使っていたり日の当たる場所に敷いていたりすると徐々に染み出してきます。染み出した成分は床のワックスなどの成分に反応してくっつき、さらに重みが加わるので、なかなか取れないガンコなベタベタ汚れになるのです。
シリコンも滑り止め材として使用されています。シリコンも塩ビも実は見た目は同じに見えますが、シリコンは塩ビよりも耐熱性、耐寒性に優れており耐候性・耐水性・耐スチーム性にも強いことから屋外で使う製品に適していることが分かります。ただ、PVCより高いので、予算が限られていればPVCインクを、機能性を求めるならシリコンインクを選択することが必要です。
さて、今回最初のサンプルは、シリコンプリントのドット柄で試してみました。
もう少しグリップ力が、プリント面を増やして欲しいとの事でしたので、ベタでプリントしてみたところ、今度はグリップ力があり過ぎという事で、線を連続でプリントしてみました。
何度か試作を繰り返し、納得のいくシリコンの連続プリントに成功しました。
実際にはゴム紐に5本の線が連続した製品になりました!これで立派なゴーグル用の特殊ゴム紐の完成です。
山屋産業では、加工のみのご依頼も承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
※※※申し訳ありませんが、500枚以下の小ロットにはご対応しておりません。
ご希望の生地に合った加工をご提案させて頂きます。ご依頼の際は、
・加工したい生地や製品の詳細(できれば組成や生地・製品画像など)
・加工数量
・(指定があれば)使用するインクの種類・色
・(指定があれば)滑り止めのデザイン
を明記した上で、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。